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肌の健康のための専門情報

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ブースターは数か月で全部溶けると聞くけれど、それなら効果も一緒になくなってしまうのでは。コラーゲンブースターを調べている方が、よく引っかかるポイントです。
コラーゲンブースターは、体内で分解される物質を真皮に注入し、その物質に対する組織の反応によって、線維芽細胞(コラーゲンをつくる細胞)に新しいコラーゲンをつくらせる施術です。そのため私は、注入した物質が残る期間と、その間にできたコラーゲンが残る期間を分けて考えるようにしています。
ポイントまとめ
- 製剤は最終的に分解されます。 ゴウリ(液状PCL)は、メーカーの添付文書では約12週間かけて吸収、排出されるとされています。スカルプトラ(PLLA)は水によってゆっくり分解されて乳酸になり、最終的に二酸化炭素と水に代謝されますが、ヒトの組織で28か月後にも粒子が見つかったという報告があります。
- 新しくできたコラーゲンはご自身の組織です。 皮膚のコラーゲン全体は、半減期が約15年と推定されるほどゆっくり入れ替わるタンパク質です(Verzijl 2000、推定値)。
- ただし、直接測定した研究はまだありません。 製剤がすべて吸収されたあと、ヒトの皮膚に新しいコラーゲンがどれだけ残るかを直接測定した公開研究は、私は確認できていません。
- 永久的なものでもありません。 成人の皮膚コラーゲンは年に約1%ずつ減るという測定があり(Shuster 1975)、新しくできたコラーゲンもその皮膚の中にあります。
コラーゲンブースターが吸収された瞬間に効果が終わる、というしくみではないと考えています。フォーエバークリニック明洞院では、注入した物質は組織の反応を起こす役割、その反応でできたコラーゲンはご自身の真皮に蓄積していくもの、と分けてご説明しています。
生分解性のコラーゲンブースター(ゴウリ、スカルプトラ、ジュベルック)を真皮に注入すると、体がその物質を認識し、組織の反応が始まります。この反応が線維芽細胞を刺激し、I型、III型コラーゲンを新たにつくらせます。その間に物質は少しずつ分解され、体の外へ排出されていきます。PLLAのレビュー論文でも、時間とともにPLLAは分解され、炎症反応は落ち着き、コラーゲンは増えていくという流れでまとめられています(Vleggaar 2014)。
順番に並べると、3つの段階になります。

概念モデルです。層の厚さや粒子の大きさは実際の比率ではなく、ゴウリのような液状の製剤は粒子としては見えません。
施術当日にふっくらしていた部分が数日で落ち着くと、「もう吸収されたのでは」と心配される方がいます。スカルプトラのFDA添付文書には、施術直後は注入した水分によるむくみで完全に補正されたように見えても、数時間から数日のうちに引いていくと記載されています。ほかのブースターでも直後のむくみが先に引くことが多いため、その時点の変化だけで吸収を判断するのは難しいといえます。
生分解性のコラーゲンブースターは、主に加水分解(水分子が高分子の鎖を切る反応)によって鎖が切れて小さな断片になり、その断片が代謝されて体外へ排出されます。残る期間は成分や製剤によって大きく異なるため、私は製剤ごとに確認されている根拠を個別に見ています。
| 製剤(成分) | 製剤が残る期間、確認されている根拠 | 新しいコラーゲンが確認された時点 |
|---|---|---|
| ゴウリ(液状PCL) | 約12週間かけて吸収、排出(メーカーの使用者向け添付文書、ヒト) | 注入6週間後に真皮の厚さ、コラーゲン密度が増加(光老化マウスモデル、J Cosmet Dermatol 2026) |
| スカルプトラ(PLLA) | 皮下注入28か月後にも組織から粒子が回収された(Stein 2015、ヒトの組織) | 3か月、6か月の組織検査でI型コラーゲンが有意に増加(Goldberg 2013、14名) |
| ジュベルック(PDLLA) | ヒトの皮膚で分解期間を測定した公開研究を確認できず | ヒトの皮膚でコラーゲンの時点を測定した公開研究もこの記事では確認できず、記載していません |
ゴウリの行を見ると、メーカーが示している吸収期間は約12週間です。私が共著者として参加したマウスの実験では、注入6週間後の時点ですでに真皮の厚さとコラーゲン密度の差が測定されました。ただ、種が異なるため、この2つの数字を重ねて読むことはできません。この実験からいえるのは、マウスで6週間後にコラーゲンの変化が測定されたというところまでです。動物モデルの結果であり、ヒトでの程度には個人差があります。研究デザインと数値はゴウリ(液状PCL)で本当にコラーゲンは増えるのかの記事に別途まとめています。
スカルプトラは逆に、物質がかなり長く留まります。ドイツの研究チームがヒトの組織を分析したところ、PLLAの粒子はこれまで考えられていたよりもずっとゆっくり分解され、皮下に注入して28か月後にも回収されたと報告しています(Stein 2015)。同じ研究では、粒子のすぐそばにIII型コラーゲンが、粒子を包む膜の外側にI型コラーゲンが蓄積していました。つまりスカルプトラは、「物質がすべてなくなったあと」を考える前に、物質とコラーゲンがかなり長い間共存するケースです。

製剤が残る期間とコラーゲンが確認された時点を、製剤ごとに並べました。ゴウリの6週間はマウスモデルのため、ヒトでの12週間と直接比較することはできません。目盛りの間隔も実際の時間の比率ではありません。
その間にできたコラーゲンはご自身の線維芽細胞がつくったタンパク質であり、皮膚のコラーゲンはもともと非常にゆっくり入れ替わるからです。ただし、施術によって新しくできたコラーゲンにもその速さがそのまま当てはまるかどうかは、別途確認されていません。
皮膚のコラーゲンがどれほどゆっくり入れ替わるかを示す数字があります。オランダの研究チームが、年齢とともにコラーゲンの中に蓄積するアスパラギン酸の形の変化を測定し、皮膚のコラーゲン全体の半減期を約15年と推定しました(Verzijl 2000)。軟骨のコラーゲンは117年でした。直接測った値ではなく計算による推定値で、長く蓄積していたコラーゲンも含めた平均です。
💡 私が分けて考える基準 - 製剤が残る期間は製剤によって異なります(ゴウリは約12週間、スカルプトラは28か月後にも一部が見つかる)。コラーゲンが残る期間は、ご自身の肌の状態によって決まります。そのため、「吸収期間が短い」という情報だけで効果の期間を推測することはしません。
だからといって、残ったコラーゲンがそのまま維持されるという意味でもありません。真皮のコラーゲンは紫外線や加齢によって常に少しずつ分解され、またつくられています。成人の皮膚コラーゲンは年に約1%ずつ減るという古典的な測定もあります(Shuster 1975、前腕の皮膚)。線維芽細胞のはたらきが年齢とともに鈍くなる理由は、ハリをつくる細胞も年をとるにまとめています。

概念図です。軸に数値はなく、実際の測定値や個人の経過を描いたグラフではありません。改善の程度には個人差があり、改善がみられないこともあります。
物質が長く残るからといって、効果が大きい、あるいは長く続くと考える根拠はありません。物質が長く留まれば刺激も長く続きますが、その分、体がその物質に反応する期間も長くなります。
まず注意点からお伝えします。スカルプトラのFDA添付文書に記載された承認臨床試験では、結節や丘疹はスカルプトラ群で17.2%(116名中20名)、対照群で12.8%(117名中15名)に報告されています。結節は初回施術から平均209日ほど経ってから遅れて現れました。物質が長く留まる分、反応も数か月後に出ることがあるということです。この点はスカルプトラ(PLLA)はどのようにコラーゲンをつくるのかに詳しく書いています。
ゴウリはメーカーの添付文書に、内出血、赤み、腫れ、注入部位の痛み、かゆみがよくみられる反応として、発疹、皮膚の変色、硬結、小さなしこりや結節も起こりうる反応として記載されています。まれに、炎症や感染など処置が必要な反応もあります。どのブースターでも、まれに重大な副作用が起こる可能性があるため、製剤の添付文書の警告、注意事項と施術前のカウンセリングであわせて確認してください。ゴウリの添付文書の頻度区分は臨床経験に基づく予想頻度のため、承認臨床試験で対照群と並べて測定されたスカルプトラの割合とそのまま比較することはできません。

フォーエバークリニック明洞院の保管棚にあるゴウリの正規品の箱です。製剤ごとに吸収期間が異なるので、何を受けたかが経過を読み解く出発点になります。
そのため私は製剤を選ぶとき、「どのくらい長く残るか」よりも、次の3つを先に見ています。
残ったコラーゲンの上でも、加齢は進み続けるからです。次に受ける時期は、製剤の吸収期間よりも、同じ条件で撮った写真で変化が小さくなっているかどうかで決めるほうが適切だと考えています。
よくある誤解があります。ゴウリは約12週間で吸収されると聞いて、12週間ごとに受けなければ効果が維持できないと思われることです。しかし吸収期間は製剤側の数字で、次に受ける時期はコラーゲン側の経過を見て決めるものなので、この2つが同じになるとは限りません。スカルプトラも、FDA添付文書に記載された承認臨床試験では、一部の患者さんで最終施術から25か月まで改善が続いたと報告されています。ただしそれはスカルプトラの承認臨床試験の一部の結果で、個人の結果を保証するものではなく、誰にでも当てはまる決まった期間でもありません。

新しいコラーゲンが蓄積し、減っていくスピードには個人差があるため、次に受ける時期もご自身の肌の経過で決めます。
残ったコラーゲンをどのくらいの期間実感できるかは、年齢、紫外線への曝露、喫煙などの要因によって個人差があります。そのため次の施術は、計画した回数を終えてから数か月の間隔をあけ、同じ照明、同じ角度で撮った写真を比べて決めるほうが、より正確に判断しやすくなります。
いいえ。生分解性のコラーゲンブースターは体内で分解され、吸収、排出されます。ゴウリ(液状PCL)はメーカーの添付文書では約12週間、スカルプトラ(PLLA)は分解がゆっくりで、ヒトの組織で28か月後にも粒子が見つかったという報告があります。
吸収された瞬間に効果も終わるというしくみではないと考えています。効果の土台は、その間に線維芽細胞がつくったご自身のコラーゲンだからです。ただし、製剤がすべて吸収されたあとヒトの皮膚にコラーゲンがどれだけ残るかを直接測定した公開研究はまだなく、加齢も続くため、実感できる期間には大きな個人差があります。
吸収期間だけで効果の期間を判断する根拠はありません。吸収期間は製剤が留まる時間で、効果はその間にできたコラーゲンがどれだけ維持されるかの問題なので、分けて考える必要があります。なお、吸収期間が異なる製剤同士で効果の期間を比較したヒトの研究は、私は確認できていません。
その時点の変化だけで吸収を判断するのは難しいといえます。スカルプトラのFDA添付文書にも、直後の水分によるむくみは数時間から数日のうちに引くと記載されており、ほかのブースターでも直後のむくみが先に引くことが多いです。新しいコラーゲンは数週間から数か月かけてできるので、同じ条件で撮った写真で数か月後の状態を見てください。
コラーゲンブースターは、体内で分解される物質によってご自身のコラーゲンがつくられるよう促す施術です。そのため、「吸収された」と「効果が終わった」は分けて考える必要があります。ただし、吸収されたあとにどれだけ残るかはまだ直接測定した根拠がなく、個人差があります。
製剤がどのくらい長く残るかよりも、お悩みがある層と回数の計画、そして数か月後に同じ条件で撮った写真で見た経過を基準に判断してみてください。
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